【詩】この素晴らしき世界

朝目が覚めると
ここはどこだろうと考える

あるときは
春の産湯に浸かる赤ん坊のタライであったり
カビ臭いアパートの一室であったりするのだが

またあるときそこは
ヒロシマの焼け野原だったり
アウシュビッツの強制収容所であったりと

色褪せた過去の記憶を繰り返すだけの
朝のスクリーンは
目を覆うほど眩しくて

いくら手を伸ばしても届かない
光の向こう側で誰かが

透明なピストルを私に手渡し
気に入らない奴は殺せ

フクシマは
いずれ死んでしまうのだから

いくら考えても仕方がないと
そう告げるのであり

この素晴らしい朝や
この素晴らしき世界を維持するためには

多少の犠牲は
避けられないのだと

起き抜けの
寝ぼけた私の髪を掴んで
そう告げるのである

だから私はゲロを吐いたあとに

透明なピストルで
朝の光を撃った

スポンサーサイト

プロフィール

Author:euReka(エウレカ)
euRekaと申します。小説や詩を書いています。

最新トラックバック

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR