【詩】透明な罠

ヒロシマ・ナガサキ

アウシュビッツ

そして旧日本陸軍の731部隊による人体実験を

全部足して3で割ったような状況が今の福島なのです

まずはヒロシマ・ナガサキのそれとは比較にならないほど大量で

広範囲にわたる放射能汚染

そして安心安全のシャワー室を備え

20mSvパーイヤーの鉄条網によって囲われた強制収容所に囚われた人々は

内部被爆のデータを提供するために毎日被爆させられている

まさにそこは人体実験場であり

人々はその異常空間の中で呼吸し

言葉を交わし

初恋をしている中学生の横で

猫は夏の暑さに横たわりながら風の通り道で昼寝をしている

その異常性はただ猫のように

その異常性を言葉で表現出来ないという限界を生きながら無邪気に昼寝をしているのであり

むしろ言葉で表現出来ないものだからこそそれは異常なのであり

もし我々にこの先

もしも正気に戻る機会があるのだとしたら

その頃にはもうこの世界など

匂いさえ残さず終わっているだろうし

すべてが破滅に向かっていましたと書かれた素っ気ない手紙を

ふいに無表情な郵便配達夫から受けとるまでの

それは透明な罠です

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プロフィール

Author:euReka(エウレカ)
euRekaと申します。小説や詩を書いています。

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