【詩】想像すること

例えばよく晴れた 春の道端に、
ぽつんとうずくまっている人が居たとする。
大丈夫ですかと声を掛けると、
その人は眩しそうに目を開けて
気持ちがいいので眠っていた、
邪魔するなと言って唾を吐く。

相手の気持ちを想像するのは案外難しい。
でも想像することを止めれば、
自分以外
誰も存在しないのと同じ

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【詩】私はまだ私のまま、私について考えている

私は私じゃなくて
明るい窓辺に座っている人

私は人間じゃなくて
人間を毎日眺めている人

私は日本人じゃなくて
日本に生まれ育ち
日本で生きている人

私は女じゃなくて


私は男じゃなくて


私は
女の腹の中からこの世に押し出され
女の胸の中で死んでいく子ども

私は子どもじゃなくて
大人

私は大人じゃなくて
子ども

私は
大人という衣装を纏った大人
もう子どもには戻れない子ども

私はワタシじゃなくて
タワシ

タワシは
ごしごしと汚れを落としながら消耗し
役に立たなくなったら棄てられる

私は
毎日汚れを落とさなければ
私は
毎日私ではいられなくなる

私は
いつか消耗し
私でない何かになる

でも私はまだ消耗していないので
私はまだ私のまま
私について考えている

【詩】幽霊になっても

空撮された都市の風景とは
まるで巨大な墓地のようだと、
テレビ画面の光に誘われた
顔の無い幽霊がいった。

巨大になればなるほど
都市は灰色に染まり、
墓地の風景と
見分けがつかなくなる。

あんなに墓が多くては、
目当ての墓を探し、
線香一本あげるだけで
一生かかる。

幽霊になっても気付かないはずだ

【詩】あんなに優しかったあなたが、なぜ人を殺さねばならないのか?

たとえ放射能に汚染されても、
ふるさとはふるさと。

たとえあなたが
殺人を犯してしまったとしても、
あなたの手の温もりを
忘れることは出来ない。

あんなに優しかったあなたが
なぜ人を殺さねばならないのか?

あなたを心から信じた
私の居場所はいったいどこにあるのか?

あなたはもう
あなたではないのか

【詩】東京の空

ふるさとの空は青く、
ふるさとの雲は白かった。

だけど空や雲なんて、
どこでも同じでしょうとあなたは言う。
東京の空だってほら、
あんなに青いですよと。

それはそうですが、
私が生まれて初めて見た空とは、
ぜんぜん違います。
どの空も、
どの雲も、
どこで見ても同じだとしたら、
私はいったい誰なのですか

プロフィール

Author:euReka(エウレカ)
euRekaと申します。小説や詩を書いています。

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